課題(国家レジリエンス(防災・減災)の強化)の紹介
「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」紹介
大規模災害に対し、国民一人ひとりの確実な避難、広域経済活動の早期復旧を目指して、国や市町村の意思決定の支援を行う情報システムを実現します。
近未来に想定される南海トラフ地震や首都直下地震、ゼロメートル地帯の広域・大規模水害等への対応においては、自助、共助、公助による自律的な最善の対応ができる社会(災害時のSociety 5.0)を構築する必要があります。大規模災害時の避難支援や緊急対応の情報提供や広域経済活動の復旧支援、気候変動で激化する渇水対策の強化、さらには市町村等行政の対応力の向上のため、国や市町村の意思決定の支援を行う情報システムを構築し、国家レジリエンス(防災・減災)を強化することにより、現在、そして次世代の人々が安心して生きていける社会の実現を目指します。
研究開発計画
https://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/keikaku2/9_resilence.pdf
用語説明
- Society 5.0とは
サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)
狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱されました。
内閣府ホームページ:Society 5.0
目指す成果
将来の大規模災害に対し、国民の安全・安心と、我が国の国際プレゼンス・産業力の確保に貢献
- 国民一人ひとりが確実に避難できるようになることで、逃げ遅れによる死者ゼロを目指します
- 広域経済を早期に復旧することで、被災者がいち早く通常の生活に戻ることができる社会を実現します
目指す成果のイメージ
出口戦略
- 確実な社会実装を実現するため研究開発当初から実装先となる関係機関が参画
- 実装イメージを当初から設定し、研究開発の実装先となる関係機関が当初から参画し、ユーザーサイドのニーズを研究開発段階から反映していくことで確実な社会実装を実現します。
- 政府の意思決定支援及び国民の適切な避難行動を可能にする避難・緊急活動支援統合システムの実装
- 「避難・緊急活動支援統合システム」は、各省庁等が災害対応の充実を図るためそれぞれのシステムを運用するとともに、政府としての応急活動等に必要なものについて、関係機関と連携しつつ、内閣府が運用します。
- 災害対応の最前線に立つ市町村の意思決定を支援する市町村災害対応統合システムの実装
- 「市町村災害対応統合システム」は、既存システムの更新時期に併せて導入を促進します。
研究開発テーマ
避難・緊急活動支援統合システムの開発
- ビッグデータを活用した災害時の社会動態把握や、衛星等を活用した被害状況の観測・分析・解析を、政府の防災活動に資するよう発災後2時間以内に迅速に行える技術
- スーパー台風、線状降水帯について、広域応急対応や避難行動等に活用できるよう、必要なリードタイムや確からしさを確保して予測する技術
市町村災害対応統合システムの開発
- 短時間でビッグデータを解析し、避難対象エリアの指定や避難勧告・指示を行うタイミングの判断に必要な情報を自動抽出する情報処理技術
研究開発の全体像
実施体制
プログラムディレクター(PD)は研究開発計画の策定や推進を担う。PDを議長、内閣府が事務局を務め、関係府省庁、専門家が参加する推進委員会において研究開発の実施等に必要な調整等を行う。サブ・プログラムディレクター(SPD)は研究開発計画の策定や推進にあたりPDを補佐する。分野横断的な知見を有するイノベーション戦略コーディネーター(戦略C)が、各研究開発のテーマにおいて実用化に向けた支援を行う。管理法人は、国立研究開発法人防災科学技術研究所が務め、公募・委託、資金管理、課題の進捗管理、広報・成果発信等を行う。
組織図